某じゃぱん

魚釣りと人間

人間:オンリーワンよりメンバーのワン

2002年リリース「世界に一つだけの花」。槇原敬之作詞作曲でSMAPがトリプルミリオン達成。国民認知度も相当に高そうな…そうか、オマエのせいか。

 

歌詞に突っ込むのはとても下衆な行為だとは思いつつ、されどこの曲の波及効果は見逃せなくて。

 

そもそも、誰しもオンリーワンなんて当たり前なわけで。右も左も違う顔、経済体制に関わらず個人はみんなオンリーワン。みんな同じなら随分前に人類は滅びているだろうし。

 

作詞家は悪くない。悪いのは当たり前の前提、つまり思考の最下部にあるべきものを最上位に据えて行動し始めた人。というか、そう教育する流れになった?した?世の中。

 

「君は君、オンリーワンだから」って、なんかいいこと言っている感じしない?耳触りがよくて、含蓄ありそうで。

 

 

でも、オンリーワンはベクトル上にないんだよ。

 

ナンバーワンはベクトル上にある。

 

どこかにある「オンリーワン」と、一列に並べたものの「ナンバーワン」。

 

オンリーワンの周りにサムワンが集まってきて、結果として中心で集団の規格を決めたオンリーワンがナンバーワンになる。ってことは、ナンバーワンはオンリーワンの上位の「ワン」ってことになるよね?そして、サムワンの集まってこなかったオンリーワンは淘汰されるでしょ?寄る先がないんだから。

 

2002年リリースのこの曲、その頃一桁年齢の子たちは親からも周りからもオンリーワンで育てられた子が多いんじゃないかな。「ゆとり」世代とZ世代でしょう?働き始めて約10年、苦労してるんじゃないかなぁ。オンリーワンで育ってきて、でも組織の中じゃオンリーワンでいられなくて。オンリーワンの自分を認めてほしい承認欲求ばかり強くなって。

 

天才か超鈍感であればやっていける。でも普通のオンリーワンならもう一段階深い理解が必要。ない袖は触れない。強行すればどこかに皺がよる。力があるのは今はまだ上の世代だから、その皺の原因追求されたらなお面倒でしょう?

 

会社なり、学校なり、自治体なり、社会の中の触れ合う場面と相互扶助の場面ではオンリーワンよりメンバーのワンである自覚を。大丈夫、協調しても個人は当たり前にオンリーワンなわけだから。