コンビニとかチェーン店とか、看板の本部が運営する「直営店」と、屋号を借りて運営する「FC店」がある。本部もFC経営者もお互いの利益があって運営してるんだろうけど、FC経営者は経営メソッドとロイヤリティの約款にサインして屋号を借りるわけだから、力関係は本部の方が上だろう。
円安や物価高で経営が難しくなったとき、FCオーナーがロイヤリティの減額を申し立てるニュースが流れる。FCオーナーにしてみたら「必要経費」のうち、最も血の通っていない部分だと思うようだ。
地元に帰ってFCオーナーをしている知人が何人かいる。口を揃えて「ロイヤリティが高い」と言う。が、減額してくれるならうれしいが、申し立てをするのは違うらしい。力関係は本部が強くても、その屋号には大いに世話になっているらしい。そして、看板を外してオリジナルでやっていくには全てが足りないからだそうだ。流通もノウハウも世話になり、知名度は屋号のおかげで、最たる部分は「信用」だ。
知人の話では、見知った看板だから入店する客が田舎でさえ大半らしい。看板のおかげで即戦力で商売ができているわけだ。
いい時は稼がせて貰っておきながら、先見性の甘さや自身の感度の悪さによる傾きが発生したら、ロイヤリティのせいにするのは筋が通っていない。「FCオーナーやりませんか?」に乗っかったのなら、その先は自分で何とかするべきだろう。
自分の負債を他人に肩代わりさせようと思っているなら悪人、「そうだそうだ」と何も考えずに乗っかってきた輩は大悪人だ。ネットも実社会も一緒。便乗する輩のせいで混乱に拍車がかかる、騒ぎが大きくなる、メディアが無責任なコメントして油を注ぐ。
「誰が悪いか」じゃない。「誰が責任を取るか」だ。制度を作った人間ではなく、その制度を使って儲けた人間が責任を取るのが当たり前なんじゃないのか?契約時に気付かなかった自己責任ってのが当然の判断、そんな世の中であって欲しい。FCオーナーは当事者間では弱者でも、世の中一般では決して弱者じゃないだろう?